膜鳴楽器のメンテナンスの様子をご紹介‼

この記事ではスタジオSHINKIの楽器をどのようにしてメンテナンスしているのかを、太鼓系の楽器にフォーカスしてお伝えします。

日頃どのようにしてメンテナンスをしているのか気になっている方は是非最後までご覧になってください。
また普段使用している楽器のメンテナンス方法がわからないという方にとってはスタジオのメンテナンス方法が参考になれば嬉しいです。

目次

毎日行っているチェック

入れ替え時に瞬時に確認していること

日頃お客様の入れ替えの時に5分ほどお時間をいただいています。

その時間の中で次の方の楽器のセッティングと一緒に、ご使用いただいた楽器の状態を素早く確認するようにしています。

【チェックしている項目】

  • 指紋のふき取り
  • 楽器に目立つ傷や汚れがついていないか
  • チューニングの状態確認

打楽器は楽器の性質上どうしても消耗が激しいです。
特にヘッドに関しては、どんなに丁寧に使用していても状態は少しづつ悪化していきます。

5分間では出来ることに限界がありますが、少しでも楽器の変化に気づくためにもさっと楽器の状態をチェックするよう心掛けています。

スタジオの時間が空いたら行っている調整

時間をかけて楽器の状態をチェック

スタジオに空き時間があればより入念に楽器の状態を確認します。

①傷や汚れが無いか入念にチェック

②叩いてみて、ノイズが鳴っていないか確認

③チューニングが悪くなっている楽器があればチューニングし直す

時間が取れるときはこのような手順で楽器の状態をチェックしています。

チェックにかかる時間は日によってさまざまです。
改めてチューニングがいらない時はすぐに終わるのですが、チューニングが大きく崩れていたり楽器からノイズが鳴ったりする場合は元の状態に戻すのにかなり時間がかかる場合もあります。

チューニングをする範囲

演奏によるヘッドの緩みの場合

表面の調整のみを行います。

各テンションボルトの近くを叩いて音程の違いを聴き分け、ヘッドのテンションを整えます。
軽い調整で済むため、太鼓1つにつき2~3分ほどで完了します。

裏と表のテンションのバランスが変わってしまった場合

長い間使っていると裏のヘッドのテンションも少しづつずれてきます。
表を調整して後もいい音がしない場合、表と裏のヘッドのバランスを確認して両方を調整しなおします。

ドラムやコンサートトムの場合は他の太鼓との音程差も気にしながらちょうど良いバランスにしていきます

表も裏も響きが悪くなってしまった場合

ごく稀にどうやっても音が良くならない時があります。
そのような時は1度すべてのボルトを最大まで緩めて最初からチューニングをやり直します。

楽器の初期設定からやり直すので、新たに太鼓に合った音色を作り直します。
チューニングしている時に上手くいかないと感じたら、早めにこの作業をする決断をしています。
その方が結果的に良いチューニングになることが多いですし、完成までの時間も短縮されることがあるからです。


ティンパニであれば叩くポイントとそれ以外のところで少しづつテンションがずれてくるため、しっかりボルト1つ1つの締め具合を確認します。
スネアドラム、ドラムセットはリムショットによって特定の箇所だけ極端にテンションが緩んでいることがあるので、こちらも1つ1つ丁寧に確認します。
コンガやボンゴなどのラテン楽器は、湿度によってテンションが緩んだり逆に乾燥によって張りすぎたりしてしまうので、適切な張り具合かどうかを確認するようにしています。

大掃除や年に数回行っている大規模なメンテナンス

年に数回、しっかり時間をかけて楽器の状態を隅々までチェックします。

ヘッドを完全に太鼓から外し、いつもは確認できないような内側のネジも1つ1つ確認します。

  • 内側のネジに緩んでいるところが無いか
  • フープとリムに大きな歪みが無いか
  • ヘッドの消耗具合と極端にへこんでいる箇所が無いかの確認

ヘッドを外してみないと見えないものが沢山ありますが、特に胴の内側のネジは定期的に確認しないとノイズの原因になることがあります。

スタジオ営業中にヘッドを外してネジを締めなおすことは難しい為、調整できるタイミングを見てしっかり締めなおすようにしています。

定期的な整備士の方によるメンテナンス

スタッフの日々のメンテナンスでは不十分なところは楽器修理専門の業者の方を呼んでメンテナンスをお願いしています。
特にティンパニは構造が複雑でスタッフでは手が行き届かない部分もある為、1番調整をお願いすることが多いです。

ヘッドとペダルのバランス、ゲージを動かすワイヤーの調整、そのほか可動部分のネジの消耗状況の確認など専門の知識を持った方に丁寧に見てもらうことで長くいい状態の楽器をお客様に利用していただくことができています。

今後も安心してご利用できるスタジオ運営を

ここまで読んでいただいたように、スタジオSHINKIでは日常的な楽器の状態確認やこまめなチューニング、大規模なメンテナンスと修繕作業などを行っています。

全ては日々ご利用いただくお客様が最高の状態の楽器を使って、最高の練習をできる環境を提供する為です。

すべての楽器に愛情をもって、沢山ご利用いただけますと幸いです。
楽器について何かありましたらお気軽に当日受付をしているスタッフまでお申し付けください。

スタジオSHINKI 鎌田

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