楽器のノイズとその対処法について【最高の打楽器レコーディング環境を求めて】

皆さん自身の楽器や学校、楽団の楽器でノイズが発生して困った経験はありますか?

スタジオSHINKIでも、以前は楽器のノイズに困らされる場面が何度かありました。その度に解決して再発を防ぐために対策をしています。
特にレコーディングサービスが始まってからは、よりノイズに注意を払うようになりました。

今回はそんな楽器のノイズに関しての情報を、スタジオでの実例と共にご紹介していきます。

目次

ノイズの原因とよくあるケース

ノイズの発生源

ノイズが発生してしまう原因は、共鳴と接触です。
スタジオ内に常設していて使用していない楽器が、叩いている楽器の音に共鳴して震えると「ジーッ」というノイズが聞こえます。
ただ共鳴しているだけでなく、その物体が他のものぶつかり会うことで音が鳴ってしまうのです。

スマホのバイブレーションが机の上でなっている時の感じが近いと思います。
音もあのような感じに聞こえることが多いです。

スタジオSHINKIで昔ノイズの原因になったもの

ノイズの原因は様々です。
打楽器奏者であれば1度は経験したことのあるものから、解決まで時間がかかってしまうような事例が起きたこともありました。

ノイズ発生源の例

  • ドラムセット(ハイハット、スネアドラムの響き線)
  • 譜面台
  • 鍵盤楽器のネジ
  • ティンパニのエッジ(ヘッドと釜が接触するところ)
  • コンサートトム

打楽器はスタンドに置いたりネジで止めたりしている部品が多く、さらにはそれらを叩いて演奏する為ノイズの発生源は沢山あります。
上に挙げた例には、すぐに解決できるものと楽器の修理や時間をかけたメンテナンスが必要なものがあります。

ここからはそれぞれの事例を細かく見ていきながら、解決策をご紹介いたします。
読んでくださっている皆さんの楽器のお悩みを解消する手助けが出来たら嬉しいです。

直ぐに解消できるノイズの原因

ドラムセットのノイズ

ドラムセットは沢山の楽器を組み合わせてセッティングしている為、ノイズの原因となる箇所が沢山あります。

【他の楽器を叩いている時にドラムセットが共鳴してしまう例】

  • トムとバスドラムが触れてしまっている。
  • スネアドラムの響き線がオンになっている。
  • ハイハットが微妙に浮いている。

ティンパニ等音の大きな打楽器を演奏していると、その振動でトムのネジが緩んできて太鼓同士が接触してしまいノイズが発生することがあります。これは気が付いたらネジを締めなおすだけなのですぐに解決できます。
スネアの響き線の切り忘れやハイハットのノイズに関しても同様に、すぐに解決できます。
事前にしっかり確認することでお客様の練習を妨げないようにしています。

ちなみにスタッフが学生だった頃、実技試験の演奏で1つ前の奏者が響き線を切り忘れ「ザーッ」というBGMの中で1曲演奏したことがあります…。

鍵盤楽器のノイズ

鍵盤楽器は、支柱や側板を固定しているネジが緩むことでノイズが鳴ってしまいます。
これは普段触らないですし視界に入ることも少ないので気づかないうちに緩んでしまうこともあります。

支柱等を停めているネジは、外れてしまったら楽器の支えがなくなってしまい大惨事になってしまうのでむしろ完全に外れる前にノイズが鳴ることで緩みに気づけて、楽器の破損を防げることもあるかもしれないですね。

こちらもノイズが鳴っている場所を特定して締めなおせばすぐにノイズを解決できます。

楽器同士の共鳴

特に膜鳴楽器は、近い音域の音が鳴ると共鳴してしまいます。

・ティンパニ+バスドラム
・シンバル+チャイム

音域が近い楽器同士や、音量の大きな楽器に影響されて共鳴してしまう事が良くあります。
大きな音の雑音ほどでは無いので普段の練習では問題ないのですが、レコーディングを行うときにはこれらに最新の注意を払っています。

あらかじめ共鳴するとわかっている楽器はスタジオの外に出したり、布をかけて事前に対策を行っています。

日頃のメンテナンスが大切!直ぐに解決しずらいノイズ

太鼓の内部のノイズ

過去に1度だけご指摘を受けたことがありますが、解決に少し時間がかかってしまった事例です。

太鼓のチューニングラグというパーツと胴を止めているネジが緩んだことによるノイズが発生してしまったことがあります。
実際に音が鳴るまでは気づきずらく、直すにはヘッドを取りはずして胴の内側のネジをドライバーで絞めなければなりません。

楽器のメンテナンス中に気が付いたため良かったですが、もしレンタル中にご指摘があった場合は「ヘッド取り外し」→「ネジ締めなおし」→「ヘッド装着」→「急いでチューニング」と大慌てになっていたところです。

日頃の楽器の状態確認と細かい手入れの重要性を再確認できました。

ティンパニの音替えの時のノイズ

ティンパニのペダルを踏みこむと「ミシミシッ」と音が鳴るのを聴いたことはありますでしょうか。
これはペダルを踏みこんでヘッドのテンションを上げた時に、エッジとヘッドの強い摩擦によって発生するノイズです。
こちらは解消するのがとても大変で、以前この現象が起きた時は楽器メンテナンスの専門家をお呼びして対応していただきました。

解決方法としては「エッジテープ」を釜に張りつけて、ヘッドとエッジの摩擦を減らす方法があります。
まずエッジテープを用意するのにも数日かかりますし、取り付ける際にはティンパニヘッドを完全に外さなければなりません。
その為、数日間は応急処置で済ませて後日本格的にメンテナンスするスケジューリングになってしまいます。

現在はメンテナンス済みの為そのような心配はありませんが、初めて対応したときは大変でした。

譜面台や空調設備から発生するノイズ

楽器以外にもノイズの原因となるものがあります。
中でも特に多いのが「譜面台」「空調」です。

「譜面台」はネジが緩んでくるとノイズの原因になる為、使用していて緩くなってきたら早めに六角レンチで締めなおしています。

「空調」に関しては特にレコーディングサービスをご利用いただくときに気にしています。
マイクは天井近くにセッティングする事が多く、その分いつも気づかないエアコンのノイズまでマイクに入ってしまいます。
こちらがの対策が難しく、力技ですが養生テープで固定してノイズを解消しています。普段ご利用される際は全く気にならないのでなおさら対処が難しいですね。

現在これまでご紹介した事例は解決済み

これまで沢山ノイズの発生源とその対処法についてご紹介してきましたが。
ここまでご紹介した事例は現在全て解決しているためスタジオを快適にお使いいただけます。

これらの事例をご紹介することで、打楽器を演奏している皆様が現場で原因不明の楽器の不調に遭遇した時の解決策の1つになれば嬉しいです。


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