ヘッドのテンションによる音色の違いを検証(スタジオSHINKIのコンサートトムを使用)

今回はスタジオSHINKIでレンタルしているコンサートトムを使用して、表裏のヘッドのテンションによって音色がどう変わるのかを検証してみました。

ネットで調べたり周りから教えてもらって理屈ではわかるという人も、実際に音を聴いて違いを体感したことがない人も多いと思います。
この記事では全て、高品質のマイクで収録していますのでぜひその違いをご自身の耳で確かめてみて下さい。

目次

基本設定の説明

比較内容

〇使用楽器
 Pearlフィルハーモニック 10.12.14.16インチ

〇ヘッド
 REMO Ambassador Coated (両面)

チューナーを使って正確に音程を図ったうえで、裏表のヘッドのバランスは各インチのトム同士で全く同じに設定しています。

実際にどれだけ音が違うか聞き比べてみよう

①基準(裏が長2度高いパターン)

  • 10インチ 表3E 裏3F#
  • 12インチ 表2B 裏2C#
  • 14インチ 表2F# 裏2G#
  • 16インチ 表2C# 裏1D#

②表だけを半音下げたパターン

  • 10インチ 表3D# 裏3F#
  • 12インチ 表2A# 裏2C#
  • 14インチ 表2F 裏2G#
  • 16インチ 表2C 裏1D#

③両面を半音下げたパターン

  • 10インチ 表3D# 裏3F
  • 12インチ 表2A# 裏2C
  • 14インチ 表2F 裏2G
  • 16インチ 表2C 裏1D

④表を長2度、裏を半音下げたパターン

  • 10インチ 表3D 裏3F
  • 12インチ 表2A 裏2C
  • 14インチ 表2E 裏2G
  • 16インチ 表2B 裏1D

トムのサイズによる適切なテンション

今回はトムのヘッドの裏表のバランスに着目して実験してみましたが、それとは別に気になったことがあります。

それはトムのインチに合ったテンションの重要性です。
どれだけ全く同じバランスで両面のヘッドのテンションを調整していたとしても、そのトムのキャパシティーを超えて高くしたり低くしたりすると、とたんに響きが開ききったり詰まって余韻の無い音になってしまいます。

今回検証したヘッドの裏表のバランスは、各トムトムの適切なテンションの範囲内で行う必要があると感じました。
適正なヘッドのテンションはやはり自信で試してみて、耳で確認するのが確実だと思います。

スタジオSHINKIのコンサートトム、基準のテンションは?

【各トムトムの適正なテンション】

  • 10インチ 表3D# 裏3F
  • 12インチ 表2A# 裏2C
  • 14インチ 表2F 裏2G
  • 16インチ 表2C 裏1D

大前提、演奏する曲や編成によって求められる音は変わります。

そのうえで、スタジオSHINKIでレンタルをしているコンサートトムは上記のテンションとバランスでチューニングすることで、オールジャンル活躍できる「基本」の初期設定としての音色がしっかりと発揮されると感じました。

半音の世界を超えた微調整

実際の演奏の現場では半音ずつチューニングを変えて調整することはほとんどありません。

楽器の音を聴いてみて、「響きが足りない」「アタックが欲しい」「音が詰まっている」「倍音が気に入らない」など、
求める音とのギャップを解消していくためのアプローチとしてヘッドのテンションを調整しています。

つまり2C~2C#の間に沢山の音色の引き出しが眠っています。

それぞれのチューニングのルールがあるかと思いますが、今回の音色比較動画が皆さんのチューニングの引き出しを増やすきっかけになれば嬉しいです。

他の楽器でも比較動画を出してみたいと思っていますので楽しみにしていてください。

スタジオSHINKI 鎌田

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